バルセロナでも闘牛を観ることができる。闘牛はスペインのものと認識されているが、カタルーニャの人々にしてみれば、闘牛はカタルーニャ地方の伝統文化のひとつであるということらしい。しかし闘牛はバルセロナでは不人気。
バルセロナの闘牛場は3つある。1834年に建てられ今はもうないPlaza de el Torin、1900年に建てられ今はもう使われていないPlaza de las Arenas、そしてPlaza de Torosは1914年に建てられ、今なお現役である。Monumental駅を降りたすぐ近くにある。闘牛シーズンは4月から始まって、9月にフィナーレを迎える。
Plaza de Torosはコンサート会場としても使われることがある。
http://www.torosbarcelona.com/
1)改装中? 四方に建つ塔のてっぺんには丸い飾りが付いているはずなのだが。
Plaza de Toros
Museu d'Història de Catalunya
カタルーニャ歴史博物館は海沿いに建っている。すっきり無機質レンガ作りなので一見倉庫のように見えてしまうのだが、館内はとってもモダンである。もともと古い行商市場だったところを、1992年のバルセロナ・オリンピックに伴い改装されたようである。なるほど、倉庫と感じても無理はない。館内へ入って吹き抜けのロビーの横にあるスロープで上下の階へ移動することができる。スロープに使われている木材の色の重なり、黒もしくは群青色の鉄柱、壁の深い赤の組み合わせは威圧感を出し、照明が程よく計算されて配置してあるため、一つの大きな作品のように見える。(エレベーター有)
バルセロナ初期から現代までの歴史が詳しく解説されている。その資料の数が膨大で、じっくり見て回ると全館制覇に2、3日はかかると思われる。ビデオや大きくわかりやすい図解、子供が実際に体験できるコーナーなどあるが、基本的に大人向けの博物館だと思う。Sagrada Familia の完成予想(?)の模型は現在建築中のものとは大きく違うが、実際にそうだったらすごいなと思う。とても独創的である。
特設会場では、Guinovart の Cartells d'un temps 展が開催されていた。Guinovart はバルセロナのコンテンポラリー・アーティスト、プリント・メーカーで、1950年頃よりスペインを代表するアーティストの一人として認識されるようになった。とても自由なラインと明るく大胆な色使いが大好きであったが、惜しくも私がバルセロナに行くちょうど前の年の2007年に亡くなった。私が観たのは回顧展のひとつであろう。
1)入り口近辺
2)Guinovart の展覧会
3)スロープを行ったり来たり
4)実物大の騎士が待っています。
5)実物は約1.5mぐらいあります。
http://www.mhcat.net/
Museu de la Musica
入り口で料金を支払い、音声ガイドを受け取る。展示してある楽器の札に番号が付いていて、それを押すとその楽器の音が流れる仕組みである。館内には伝統的な楽器の展示、ビデオ常設、体験コーナーなどがある。
ビデオでは、昔の絵画に描かれた楽器に焦点をあててその音を表現したり、楽器に携わる人々や行事をクローズアップし、その状況などを解説してあった。音楽といえば楽しい状況を直感的に想像してしまうがそれだけではない。悲しいときにも音楽はあるのだ。ビジュアルと音が強烈にインパクトのあるビデオだったから、さらに悲壮感も高まったが、また一つ絵画を鑑賞するポイントが増えたような気がする。
体験コーナーでは古い木琴やチェロなどが置いてあって自由に演奏できる。誰もいなかったので一人で演奏する。一人だけのオーケストラ。
http://www.bcn.es/museumusica/en/Historia.html
Torre de Bellesguard (Casa Figueras)
Torre de Bellesguardはガウディの作品のひとつで、15世紀のカタルーニャ最後の王、Martin I el Humanoの住居地を基にして作られている。ガウディ自身は1909年に作業から手を引き、その後ベンチなどを手がけたDomenec Sugranesが作業を引き受けて、1917年に完成させた。
私が到着したのは午後5時頃。オレンジ色の夕方の光が斜めに差し建物を染めていた。遅かったためか誰もいなかったが、敷地内は解放されていたので建物の周りをぐるりと歩く。
一般にこの建物は、ガウディのデザインテイストが多く見受けられるものの、後期のユニークなデザイン建築とは少し違うとされている。理由の一つには、鮮やかでカラフルでない、第二には有機的なラインが用いられていないことなどが挙げられるようである。しかし室内はガウディテイストが強いようである。
外のベンチにはサメと海洋が描かれている。これはDomenec作だと思うが、ガウディ色が窺える。
1)てっぺんにはガウディらしいモチーフが。
2)ベランダの柵もガウディらしい。Parc Guellの門扉と似ている。
3)サメ&海洋。カラフルだった。
4)この曲線とモザイクがガウディチックである。
Monestir de Pedralbes
Carrer del Bisbe Catalaの道沿いから入る。エントランスのような外壁を通り抜けると、タイムスリップしたような、現代の様子とはかけ離れた町並みが現れる。石畳の道を上って行くと、左手にレンガ造りの建物と教会が見えてくる。
Pedralbes地域で最も古いこの修道院、Monestir de Pedralbesは1326年に設立された。その隣には教会があって、クイーン・エリセンダが埋葬されていて、今でも尼僧さんたちがクイーンのために賛美歌を捧げているそうである。Pedralbes地域は市の中でもリッチなエリアに入るそうで、その近辺の家々はとても豪華である。
中は回廊になっていて、中庭にはハーブ畑や噴水がある。一見するととてもシンプルな造りのように思われるが、ドアのそのさらに奥にドアがあって、別の部屋に通じる通路が続いていたりする。奥が深い。キッチンはとても簡素。電化製品など一つもない。たぶんお湯も出ないのではなかろうか。今でも尼僧さんが使っているらしいそのキッチンは、壁や床がタイル張りになっている。その土地柄をよく表している。
おなじみのシエスタがあるので、開園時間に注意。実は一度目に行ったときは丁度シエスタ頃で入れなかった!
1)Carrer del Bisbe Catala沿いの外壁。一方通行のマークは同じらしい。
2)入って右側には古い家々が立ち並ぶ。
3)観光ブックでもおなじみの写真。
4)日陰に入るとすっと肌寒くなる。石造りのためであろう。
http://www.tmb.net/en_US/turistes/busturistic/monpedralbes.jsp
Museu de Ceramica
その名の通りセラミック美術館である。予想を裏切る数と、展示物の質に驚かされる。
カタルーニャ理工大学の隣にあり、メトロのPalau Reial駅からとても近い。
美術館の前には庭園が広がり、人々の憩いの場となっている。館内へ一歩踏み入れて、まず目にしたのは天井からぶら下がる豪華なシャンデリア! 天井の装飾もすばらしく、これを見ただけでも来た甲斐があった〜と思ってしまう。
展示場ではまず先代のバルセロナ近郊の土器コレクションから始まる。セラミック美術館だから、そのまま茶色の土器の展示が続くのかと思いきや、急遽色付けされたタイルへと移行する。幾何学模様、人物のポートレイト、宗教的なイラスト、人々の生活風景などが描かれたタイルや食器(お皿など)がずらーりと永遠に続くんじゃないかと思ってしまうぐらい、数限りなく展示されているのだ。
作成された場所や年代によるトレンドの推移が面白い。人々の生活風景を描いたものは、その時代のファッションや慣習を垣間みれて楽しい。宗教に基づくものにはゴールドが使われていて、その重要性が伝わってくる。タイル館の後の方では近代の作家による作品が展示されていて、ピカソの作品も多数ある。
この美術館はタイル以外のコレクションもすばらしいっていうか、すごい。タイル館を後にすると(これだけでも長かったのに)まだまだ先が続くのだ。何世代も前の家具付きのゴージャスな部屋がいくつもいくつも展示されているのである。どの作品を見てもその装飾の細やかさと色表現力の美しさに驚かされ、またそれが薄暗い部屋においてあるものだから雰囲気も手伝って、現実と隔離された次元にいる気持ちになる。
とっても重厚な気持ちになりながら部屋を後にし、特別展示室へ向かう。そこには1880年代のアートから近代の物まで展示されている。突然のこの違いに瞬きしつつ、古い家具あたりの雰囲気と目の前にあるアートまでの時間差を埋められず、目眩する。
素朴なタイルから薄暗いアンティークから近代のアートまで・・・ この美術館はほんとにあなどれない。外観からは全く予想していなかった(予想できない)世界が広がっている。おすすめである。


1)建物そのものは平坦であるが、一歩中に足を踏み入れると・・・
2)大きなシャンデリアがお出迎え。


3)室内はこのような感じで、明るい日差しが入り込む。
4)壁に埋め込まれていたであろうタイル画。


5)吹き抜けを二階から眺める。
6)古い家具が並ぶ。


7・8)近代のアート。右の写真は扇。
http://www.museuceramica.bcn.es/english/home.htm
Guell Parc (2)
展望台よりメインの観光地の方へ向かって歩き始める。ぽちぽち歩いていると、小学校が見えてくる。そちらへ降りる道とは反対側へ向かうと、有名なアーチ型のアーケードが見つかる。アーケードの中は斜めアーチになっていて、まっすぐ歩いているつもりでも斜めに傾いてしまう。アーケードの中はとても静かでひんやりしていた。外側にコラムがあるのだが、よく見ると一本一本のデザインが違う。ランダムに石が積み上げられている物もあれば、美しくデザインされている物もある。その中に一本だけ人を形取った柱がある。この柱は南国をモチーフとしてデザインされているような、そんな感じである。



2)ここだけ女の人の銅像になっている。


3)ななめななめ。ななめの柱が上にある道路を支えているらしい。
4)波を思わせるアーケードの内側。


5)ガウディの家美術館の中。こんなテーブルセットが欲しい。
6)これは大学時代の美術史に出てきたような気がする。


7・8)青系とピンク系のタイル


9・10)トカゲ氏もとぼけた顔をしているが、犬(ライオン)氏も負けず劣っていない。


11・12)細かい部分の装飾も凝っていて、さすがガウディだなーと思わせられる。右は円トラスの門。

13)なぜかパークはparKなんですね。parCじゃないんだね。英語表示。
http://www.barcelona-tourist-guide.com/en/gaudi/park-guell.html