Gotic 内の、ある一軒のバル

「タパスの梯子をしたいねぇ。」
ちょっとずつ食べながら、数件のレストランやバーを梯子するのがスペイン風らしい。いいタパス屋はないか Gotic 地区をうろうろしていたときに見つけたバーに入ることにした。

まだ日が暮れたばっかりで、空もようやく濃い青に染まっていく頃。周りのお店もまだ閉まっている。そんな中、黄色い光がやんわりと四角いガラス枠から漏れてくるのが遠くから見えた。

近くまで行って、外からちらちらと物色していると中からおじさんが出てきて、スペイン語で説明を始める。全然スペイン語が話せない私たちと、全然英語が話せないおじさん。コピー用紙に印刷されたメニューと手書きの日替わりメニューが唯一の共通語。

中に入ってテーブルに着くと、そのおじさんがやってきて一生懸命ひとつずつ説明してくれた。ほんとに一生懸命に。きっと真面目な人なのだろうなぁ。最後の方にはすごく力が入っていた。こっちも早くしないと悪いなと思って、イカリングのフライとアスパラガスをオーダー。待っていると、ポテトチップスの小袋を持ってきてくれて、お金はいらないからって。サービスしてくれたのだ。ポテトチップスの袋も、ちゃんと小皿に乗っかって出てきた。

そしてやってきたイカリングは揚げたてでカリッとしている。アスパラガスは、生ハムにホワイト・アスパラガスが乗っけてあるものだった。久しぶりに食べたホワイト・アスパラガス。生ハムとよく合う。

どんどんお客さんが入ってくる。おじさんは私たちのときと同じように、みんなに一生懸命説明する。時に同じテーブルに着いて、座り込んで説明している。スペイン語が話せたら面白い会話ができただろうな、と思う。


1・2)どちらも作りたてで、美味しかった。

No comments: