天気がいい日曜日。ゆっくり起きて、この旅最大の目的である、Sagrada Familia を見に出かけた。
Sagrada Familia を知ったきっかけは、大学の美術建築の講義だった。バウハウスやアールヌーボーなど西洋の古い芸術を学んでいるときに、Sagrada Familia が出てきた。スライドを見た。クリエイティブな発想に感動した。ごちゃごちゃ装飾がついているユニークな創造物が、抜けるような青い空を背景に建っている写真だった。建てられた当時にしてみれば、教会としてはずいぶんアバンギャルドなデザインだったに違いない。いつか必ず自分の眼で見たいと決心した。そして10年後にそれが叶ったわけだ。
地下鉄を降り、地上への階段を上がって振り返ると、逆光を受けて輝いて建っていた Sagrada Familia。思ったよりもでかくて、なんだか建物が降り掛かってくるような感じを受けた。実際にとても背の高い建物で、丘から街を一望したときもひょっこり頭が飛び出しているような、たくさんの小学生の中に一人だけ大人が混じっているような感じを受ける建物である。
外観をじっくり眺めながら一周。生誕のハザードと受難のハザードでは芸風が違う。どっちも好きだが、生誕のハザードのほうがお気に入りだ。トカゲやカメが装飾の一部として、登場する。ファンタジーを感じさせる要素が多い。これが南に面していたらもっと光り輝いて、ハッピーな生誕であったであろうに。
受難のハザードは一見すると無機質でシンプルだが、ストーリーがある。左から右、上から下へ彫刻を追って行くと、ストーリーが出来上がる。アントニ・ガウディの肖像も一部に取り入れられているし、ガウディ特有の兵士の像も見られる。
入場口は受難のハザード側にあって、入って左側のブースで音声案内機を借りる事ができる。パスポート(コピー可)もしくはクレジットカードを担保にする。
建物の中に入る入り口の鉄の扉にはレリーフが施してあって、その細かい一つ一つがかわいらしい。アヒルの親子や雲形定規などあって、見てて飽きない。いったい幾つのオブジェがあるんだろう。ほんとにたくさんある。
中に入るとしんとしている。人がたくさんいて話し声が聞こえるけど、天井が高いためか、ざわつきを感じさせない。天井は75m あるという。カリフォルニア北部に生息するレッドウッド(杉の一種)をモチーフとした白い柱が、すらりと天井まで伸びている。しなやかさを感じさせる。建築中なので天井のすきまから青空が見えたりするけど、もともと自然界にあるものをモチーフとして使っているから、青空が見えていても違和感が無い。森の中にいるような感じを受ける。
さらに奥に進んで行き、地下のギャラリーへ。ここにはスケッチや模型が置いてある。
塔の上へ上がるエレベーターは二つあって、一つは入り口の扉の近く。こちら側からは海側が見える。もう一つは生誕のハザード側にあって、San Pau 病院が見える。こっちのほうが比較的空いていて待ち時間が短いように思う。
ヒューっとエレベーターで上まで上がって行って、塔の中の階段を下りて戻ってくる仕組みである。塔は生誕・受難ともに4本ずつあって、その4本はそれぞれどこかで繋がっている。階段を降りて行き、分岐点があったらそれは別の塔への通路ということである。隣の塔からまた違う景色を見るもの楽しい。
螺旋階段の手すりは壁側にしかないから、足を踏み外したらそのまま一気に下まで転がって行ってしまいそうだ。階段を上から見ると渦巻き貝みたいでガウディらしいが、こんな怖い階段は初めてだ。
それでもガウディの建築物はやっぱり魅力的だし個性的だ。ガウディが手がけた作品のどれを見ても、彼がデザインしたと一見しただけで分かる。彼は建築家であるとともにアーティストでもあった。
2026年に完成予定とあるが、その日にまた Sagrada Familia の前にいる事ができたらいいなと思う。
1) 初めて見た瞬間を写真に収めてみた。
2) 塔の上の飾り。白いのは鳩。
3) 内装。垂直なものがなくて、有機的。光の入り具合も計算されてあるので、とても幻想的である。まさに森の中にるような感じ。
4) 受難のハザードの左側にある。
5) 結構高い。左側の大通りをまっすぐ向かうと、Sant Pau 病院がある。
7) 階段。ちょっと恐怖でしょ?
8) 夕方になると斜光が差し込み、美しい形を作り出す。光のマジック。
9, 10) ドアのレリーフ。どれ一つとっても、かわいらしいし、よく作り込まれている。
http://www.sagradafamilia.org/
Sagrada Familia
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06 観光地
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